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トンレサップ湖の新型トイレ

カンボジアのトンレサップ湖上で生活する人々のために、下水処理機能のついた新型のトイレを作る試みが行われているようです。
 

・100万人以上が生活しているトンレサップ湖
東南アジア最大の湖トンレサップ湖。
乾期には2700平方kmほどの大きさだが、雨期となると1万6000平方kmまで拡大します。

この湖の大きさの変化により、陸上の植物由来の有機物が供給され肥沃な湖となり、大量の魚が生息しています。

それらの魚を獲って生活している水上生活者たちが100万人にも上るといいます。

トンレサップ湖の水上生活者
via flickr


彼らは、体を洗う水、洗濯をする水、飲料水等、生活に関わる水はすべてトンレサップ湖の水を使っています。
そして、トイレもそのまま湖に流すというライフスタイルです。

ここで問題になってくるのが、糞の中に含まれる微生物によって感染症が拡大してしまうケースがあるということです。カンボジアでは下痢性の感染症により毎年、幼児5人に1人が死んでいるといいます。


・カンボジアの企業の開発した新型トイレ「Handy Pods」
 この問題を解決するために、カンボジア企業が新型の「Handy Pods」というトイレを開発しました。

性格には建物のトイレに設置する補助的なもので、下水を直接湖に捨てることを防ぐためのもの。

植物に満たされたカヤックでトイレの下の湖面に浮かせておいて使います。


・Handy Podsの機能
用を足した後の汚水はまず、バクテリアで満たされたHandy Pods内の容器へ流れて、お水中の有機物は分解されます。

そして、その次にホテイアオイという水草のもとに汚水は流れ着きます。
ホテイアオイは、細かい根がびっしりと生えており、最初の容器で分解しきれなかった微生物たちを吸着させる効果があるといいます。


2013年にはトンレサップ湖の35の家庭にHandy Podsを配布してみたところ、その家庭の周囲の水中の大腸菌を50%も減少することに成功したそうです。



・Handy Podsの課題
一定の効果をあげることに成功したように見えますHandy Podsですが、予想されていた効果よりかは小さかったようです。
開発ものとの企業によると「泳ぐには十分綺麗だが、飲み水としてはまだ安全ではない」と言います。


予想以下の結果に終わってしまった理由は、実際の湖は、トイレ以外にも汚染源があるからだそうです。
トンレサップ湖の周囲では養豚場があり、そこから、大量の汚物が流れているのが原因とのこと。


また、コストの面でも課題があります。
現在、Handy Podsを設置するのに30ドルほどかかります。年収1000ドル以下で生活するトンレサップ湖の水上生活者たちには、高価なものだといいます。



課題はあるようですが、開発元の企業は、世界中の水上村の衛生状態を改善するために日々研究を重ねているそうです。